想い出の中で生きるのは厭だ
温もりが次第に失われていく
躯を凍らせ 紅い筋を幾重にも刻んで
手を伸ばす そう指先を一杯に伸ばす
この白い霧の世界で
この白い音の無い世界で
溶けない今に苛立ちながらも
ただ一人 君だけを見詰めていたい
世界は深い霧の中
白い白い霧の中
頼り無い音色を追う
こんな軋む薄氷を踏んでまでも
旅は続く
終わりの無い夢のように
高く飛ぶ
限る事を知らないままに
遠く 遠くへ
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