空気の底


忘れえぬ、在りし日の熱
君が刻んだ、消えない熱
くだらない、自堕落な感傷で塗り固め
後悔だらけの今への整合性へと変える

ピリッと裂ける痛みの中で
全て解った気がしていた
残る傷跡を見詰めるだけで
全てが赦せる気がしていた

誰かを愛していると言いながら
一番に自分を愛していた
だから、時が身に刺さる
氷のように冷たく深く

降り注ぐ、この雨のように
行き着く果てなど、決めてはいない
振り返ると、そこはまるで
青く沈んだ、見知らぬ街角


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